交通事故の損害賠償について、どのようなものが後遺障害となるのですか?

事務員:交通事故の損害賠償について、後遺障害(後遺症)という言葉を聞きますが、具体的には、どのようなものが後遺障害となるのですか?

 

弁護士:自動車損害賠償保障法という法律があり、その施行令に別表第1という表と別表第2という表があります。別表第1には、第1級と第2級が、別表第2には、第1級から第14級まで規定されています。

 

事務員:交通事故の損害賠償について、普段仕事をしていると、むち打ち症で痛みが残り、後遺障害が認定されるケースがありますが、これは、何級になるのですか?

 

弁護士:後遺障害が認定される場合、通常、別表第2の第14級9号(局部に神経症状を残すもの)に該当するとして認定されるケースが多いと思います。

 

事務員:他には、何級になるケースがあるのですか?

 

弁護士:別表第2の第12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)に該当するケースもあります。

もっとも、第12級13号に該当するためには、他覚所見が必要と考えられます。

 

事務員:この級が違うと何が違うのですか?

 

弁護士:自賠責保険の保険金の金額が違います。

また、通常、労働能力喪失率や慰謝料の金額が違います。

 

事務員:労働能力喪失率?

 

弁護士:後遺障害が認定されると、後遺障害逸失利益を主張することが通常だと思いますが、通常、級によって、労働能力喪失率が違います。

ただし、一部の後遺障害では、後遺障害逸失利益が認められない場合もあります。また、個別の事案において、この表に規定されている労働能力喪失率によって後遺障害逸失利益が計算されない場合もあります。

 

事務員:例えば、第14級9号では、労働能力喪失率は、何パーセントですか?

 

弁護士:5パーセントです。

 

事務員:第12級13号では、労働能力喪失率は、何パーセントですか?

 

弁護士:14パーセントです。

 

事務員:なるほど。何級に認定されるかは、交通事故の損害賠償において、重要なのですね。私もいろいろ勉強します。

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