交通事故により後遺障害(後遺症)を負った後の死亡と逸失利益

交通事故で後遺障害(後遺症)を負った後に、交通事故とは別の原因で死亡した場合に、死亡後の逸失利益を請求することができるのでしょうか。
交通事故により、治療終了後も後遺障害(後遺症)が残った場合、逸失利益が問題となります。
後遺障害による逸失利益は、通常、基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間により計算します。
ここでは、交通事故により後遺障害を負い、その後に交通事故とは別の原因により死亡した場合、労働能力喪失期間を死亡時までとして計算することになるか、が問題となります。
交通事故により後遺障害を負った被害者が、交通事故の約1年6ヶ月後に心臓麻痺により死亡した事案について、最高裁判所の裁判例には、「交通事故の被害者が事故に起因する傷害のために身体的機能の一部を喪失し、労働能力の一部を喪失した場合において、いわゆる逸失利益の算定に当たっては、その後に被害者が死亡したとしても、右交通事故の時点で、その死亡の原因となる具体的事由が存在し、近い将来における死亡が客観的に予測されていたなどの特段の事情がない限り、右死亡の事実は就労可能期間の認定上考慮すべきものではないと解するのが相当である。」旨判示したものがあります。
この裁判例では、「けだし、労働能力の一部喪失による損害は、交通事故の時に一定の内容のものとして発生しているのであるから、交通事故の後に生じた事由によってその内容に消長を来すものではなく、その逸失利益の額は、交通事故当時における被害者の年齢、職業、健康状態等の個別要素と平均稼働年数、平均余命等に関する統計資料から導かれる就労可能期間に基づいて算定すべきものであって、交通事故の後に被害者が死亡したことは、前記の特段の事情のない限り、就労可能期間の認定に当たって考慮すべきものとはいえないからである。」ことを理由の一つにしています。
交通事故の損害賠償について分からないことがありましたら、弁護士までご相談ください。

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弁護士 寺部光敏

愛知県豊橋市出身 名古屋大学法学部を卒業後、弁護士となる。豊橋に根付いた寺部法律事務所の代表弁護士。20年以上の弁護士歴で得た豊富な経験を活かし、交通事故に苦しむ人を一人でも救うため弁護活動を行っている。

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