ライプニッツ係数
質問
私は、信号のある交差点を青信号にしたがって直進したところ、急に右折してきた自動車との間で交通事故になりました。
私は、14級9号の後遺障害が認定され、加害者の任意保険の保険会社から示談の提示がありました。
示談の提示の書面には、労働能力喪失期間として、5年間と記載されていたのですが、逸失利益の計算が、基準となる年収×労働能力喪失率×5ではなく、ライプニッツ係数という言葉が使われ、4、3294という数字が記載されていました。ライプニッツ係数とは何ですか。
弁護士からの回答
逸失利益を算定するときには、将来の収入の減少を現在の一時金に算定するため、中間利息を控除する必要があります。1年後に10万円を受け取ることができる場合、その現在の経済的な価値は10万円ではありません。現在の10万円は、1年後には利息が発生するからです。
平成11年11月、東京地方裁判所、大阪地方裁判所、名古屋地方裁判所の交通事故による損害賠償請求訴訟を専門的に取り扱う部の裁判官により、「交通事故による逸失利益の算定方式についての共同提言」がなされ、そのなかで、交通事故による逸失利益の算定における中間利息の控除方法については、特段の事情のない限り、年5分の割合によるライプニッツ方式を採用する旨が提言されました。
実務では、原則として、年5分の割合によるライプニッツ方式により計算します。年5分の割合による5のライプニッツ係数は、約4、3294になります。
平成26年6月時点での期間10年の日本国債の金利は、5パーセントを大幅に下回っていますが、現在の実務では年5分の割合による計算をしています。
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弁護士 寺部光敏
愛知県豊橋市出身 名古屋大学法学部を卒業後、弁護士となる。豊橋に根付いた寺部法律事務所の代表弁護士。20年以上の弁護士歴で得た豊富な経験を活かし、交通事故に苦しむ人を一人でも救うため弁護活動を行っている。
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