賠償金の提示金額
質問
私は、会社員として働いています。私は、先日、自動車を運転して優先道路を直進していたところ、側道からでてきた自動車と衝突しました。私は、交通事故の日から、約3ヶ月間、整形外科に通院しました。通院の日数は、30日でした。私は、定時より早く帰るなどして通院し、有給休暇は使用しませんでした。私は、幸い、けがは直ったので、後遺障害は、ありませんでした。
物損は、私の過失が10パーセントということで、示談しました。
私は、損害保険会社から、示談の提示を受けました。休業損害については、私が勤務先から取得した休業損害証明書のとおりの金額でしたので、私は、不満はありません。しかし、慰謝料については、金額とともに、「当社基準」と記載されているだけで、私にとっては、妥当か否か分かりません。
慰謝料については、損害保険会社の提示した金額をそのまま受け入れなければならないのでしょうか。
弁護士からの回答
損害賠償の金額については、いわゆる自賠責保険の基準、任意保険の基準、裁判の基準があると言われています。一般的には、自賠責保険の基準より任意保険の基準の方が金額が高いことが多く、任意保険の基準より裁判の基準の方が金額が高いことが多いです。もっとも、損害保険会社がいわゆる自賠責保険の基準で損害賠償の提示をしてくることもあります。
傷害慰謝料については、訴訟では、傷害の程度、通院期間、通院日数など諸般の事情を考慮のうえ、裁判官が金額を算定します。過去の交通事故の裁判例などをもとに、慰謝料の金額の基準が示されています。
保険会社のいう「当社基準」は、あくまでも当該保険会社の基準であり、訴訟になったときには、当然ですが、裁判所は、保険会社の社内基準に拘束されません。
多くの場合、特に被害者の過失が少ない場合、傷害慰謝料については、弁護士を代理人に選任
して交渉の余地があることが多いと感じています。
損害保険会社の提示した示談の金額について分からないことがありましたら、弁護士に相談されてはいかがでしょうか。
弁護士 寺部光敏
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