示談後の請求

交通事故の損害賠償請求について、ごくまれに示談後にご相談を受けることがあります。

しかし、いったん示談をしてしまうと、仮に、後に弁護士に相談した結果、金額が相当でないと思われる場合であっても、示談の効力を覆すことは困難です。

示談の効力を覆すことができない結果、相当と考える損害賠償額と示談額との差額を請求することができなくなります。

最高裁判所の裁判例で、交通事故による「全損害を正確に把握し難い状況のもとにおいて、早急に少額の賠償金をもって満足する旨の示談がされた場合においては、示談によって被害者が放棄した損害賠償請求権は、示談当時予想していた損害についてのもののみと解すべきであって、その当時予想できなかった不測の再手術や後遺症がその後発生した場合その損害についてまで、賠償請求権を放棄した趣旨と解するのは、当事者の合理的意思に合致するものとはいえない。」旨判示して、限定的な要件のもと、示談当時予想できなかった損害について、損害賠償請求を認めた裁判例があります。

しかし、後遺症の等級認定後や症状固定後の示談であれば、一般的に全損害を把握し難い状況にはあたらないと考えられますので、後日、示談の効力を争うことはきわめて困難です。国内の大手損害保険会社ですら、2013年3月期の決算で、国内の自動車保険事業が赤字の会社もある状況ですから、保険金の支払いを低く押さえようとする傾向があることは否定できません。

また、保険会社の担当者は、多くの示談を経験し、交通事故の損害賠償に関する知識もあります。一方、多くの被害者の方が交通事故の示談の経験はありません。

このような交通事故の被害者の方が、保険会社の担当者と対等に交渉することは容易ではありません。したがって、保険会社から提示された金額に少しでも疑義があるときは、示談書に署名する前に弁護士にご相談ください。

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弁護士 寺部光敏

愛知県豊橋市出身 名古屋大学法学部を卒業後、弁護士となる。豊橋に根付いた寺部法律事務所の代表弁護士。20年以上の弁護士歴で得た豊富な経験を活かし、交通事故に苦しむ人を一人でも救うため弁護活動を行っている。

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