信号待ちで停車中に後ろから追突された!

1 はじめに

  信号待ちで停車中に後ろから追突されたという交通事故の類型は、交通事故のなかでも多い類型だと思います。

  この場合、いわゆるむち打ち症となる場合が多くあります。

  以下、後ろから追突され、むち打ち症となった場合を前提に説明します。

むち打ち症とは、診断名ではありません。交通事故により、頚部が過度に伸びたり曲がったりした首がむちを打つような運動をした後に生じる損傷であるためと言われています。

医学的な診断名としては、頚椎捻挫、頚部挫傷などの診断名がつく場合が多いと思います。

自覚症状としては、頚部痛、頭痛、肩こり、吐き気、めまいなどの症状がみられることがあります。

2 事故後の対応

  交通事故の後、痛みが生じたときは、病院に通院し、医師の診察を受ける必要があると思います。

  交通事故後、痛みが生じたにもかかわらず、痛みを我慢してしまって通院せず、日にちをおいて通院した場合には、交通事故と治療の間の因果関係が認められない場合があります。

3 通院について

  むち打ちについては、他覚所見がなく、自覚症状のみであることが多いです。

  主治医と十分なコミュニケーションをとり、医師に症状を正確に理解してもらい、医師が必要と認めた治療を受けることが重要であると思います。通院期間、通院頻度、治療内容などは、傷害慰謝料の金額の算定や後遺障害等級認定の際に考慮される要素になると考えられます。

  仕事が忙しくて通院しなかった場合には、保険会社に治療の必要がないので通院しなかったと解釈される可能性が高いので注意が必要です。

4 症状固定

  症状固定とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めない場合をいいます。

  症状固定後の治療費は、原則として、保険会社は負担せず、自費になります。

5 後遺障害の等級認定

  症状固定後も痛みが残っている場合などには、後遺障害の等級認定の申請を検討することになります。後遺障害の等級認定の申請にあたっては、後遺症診断書の記載もポイントの一つとなります。

  むち打ちの場合、後遺障害の等級としては、後遺障害別等級表別表第2第14級9号(局部に神経症状を残すもの)、第12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)のいずれかが問題となることが多いと思います。痛みが残っていても、後遺障害の等級がつかない場合もあります。  

  第12級13号が認定されるためには、他覚所見が必要と考えられます。

6 示談交渉

  任意保険会社から示談の提示を受けた場合、その示談の提示が正しいとは限りません。

  任意保険会社の自社基準は、裁判の基準と比べて低いことが多いことが現状です。

  被害者の方に過失のない場合、自賠責の基準<任意保険の基準<裁判の基準となることが多いです。

弁護士は、代理人となった場合、裁判の基準をもとに交渉をします。

7 最後に

  むち打ちは、ご本人は、苦しい思いをされているにもかかわらず、自覚症状だけの場合も多いです。

  当事務所としては、むち打ちに苦しんでいる交通事故の被害者の方のお力になりたいと考えています。

  交通事故の被害にあわれた場合には、お早めに弁護士にご相談されることをおすすめいたします。

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