一部請求と過失相殺

損害賠償請求訴訟において、損害の一部を請求し、相手方から過失相殺の主張をされた場合、過失相殺はどのように計算するのでしょうか。

この点について、最高裁判所の裁判例には、
「一個の損害賠償請求権のうちの一部が訴訟上請求されている場合に、過失相殺をするにあたっては、損害の全額から過失割合による減額をし、その残額が請求額をこえないときは、右残額を認容し、残額が請求額をこえるときは請求の全額を認容することができるものと解すべきである。このように解することが一部請求をする当事者の通常の意思にもそうものというべきである。」旨判示したものがあります。また、この裁判例では、「本件のような同一事故により生じた同一の身体傷害を理由とする財産上の損害と精神上の損害とは、原因事実および被侵害利益を共通にするものであるから、その賠償の請求権は一個であり、その両者の賠償を訴訟上あわせて請求する場合にも、訴訟物は一個であると解すべきである。」旨判示しています。

損害賠償請求訴訟において、一部請求であることを明示すれば、その一部が訴訟物になると考えられます。
交通事故の損害賠償請求訴訟において、被告の側から過失相殺の主張がされることは、しばしばあります。

一部請求は、実務上利用される場合がありますが、時効中断の範囲や過失相殺など様々な法的な問題があります。
一部請求の訴訟について分からないことがありましたら、弁護士までご相談ください。

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弁護士 寺部光敏

愛知県豊橋市出身 名古屋大学法学部を卒業後、弁護士となる。豊橋に根付いた寺部法律事務所の代表弁護士。20年以上の弁護士歴で得た豊富な経験を活かし、交通事故に苦しむ人を一人でも救うため弁護活動を行っている。

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