交通事故における過失相殺と子どもの過失

民法722条2項は、被害者に過失があったときは、裁判所は、
これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる旨規定しています。

一方で、民法712条は、未成年者は、他人に損害を加えた場合において、
自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、
その行為について賠償の責任を負わない旨規定しています。

交通事故の損害賠償請求においては、過失相殺が問題となる場合が多くあります。

交通事故の被害者が未成年である場合、民法712条が規定する責任能力が認められない場合でも、過失相殺の規定が適用されるのか、問題となります。

交通事故が発生した当時、小学校2年生であった者の過失が問題となった事案において、
最高裁判所の裁判例のなかには、
「民法七二二条二項の過失相殺の問題は、不法行為者に対し積極的に損害賠償責任を負わせる問題とは趣を異にし、不法行為者が責任を負うべき損害賠償の額を定めるにつき、公平の見地から、損害発生についての被害者の不注意をいかにしんしゃくするかの問題に過ぎないのであるから、被害者たる未成年者の過失をしんしゃくする場合においても、未成年者に事理を弁識するに足る知能が具わっていれば足り、未成年者に対し不法行為責任を負わせる場合のごとく、行為の責任を弁識するに足る知能が具わっていることを要しないものと解するのが相当である。」旨判示したものがあります(最大判昭和39年6月24日)。

このケースでは、原審は、交通事故当時、小学校2年生であった被害者の過失を認定し、過失相殺をしており、これに対する被害者側の上告を棄却しています。

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弁護士 寺部光敏

愛知県豊橋市出身 名古屋大学法学部を卒業後、弁護士となる。豊橋に根付いた寺部法律事務所の代表弁護士。20年以上の弁護士歴で得た豊富な経験を活かし、交通事故に苦しむ人を一人でも救うため弁護活動を行っている。

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