生命侵害による損害賠償請求権の相続性

例えば、交通事故によって人が死亡した場合、被害者の不法行為に基づく損害賠償請求権は相続人に相続されるのでしょうか

まず、治療費などの財産的損害については、損害賠償請求権が発生した時点で被害者が死亡しているため、相続するか否か、問題となります。

裁判例は、財産的損害について、損害賠償請求権の相続人への相続を認めています

次に、慰謝料請求権については、相続人に相続されるのでしょうか。慰謝料請求権は、一身専属的性格を有すること、また、民法711条が被害者と一定の関係にある者の慰謝料請求権を認めていることなどから問題となります。

最高裁判所は、「慰謝料請求権が発生する場合における被害法益は当該被害者の一身に専属するものであるけれども、これを侵害したことによって生ずる慰謝料請求権そのものは、財産上の損害賠償請求権と同様、単純な金銭債権であり、相続の対象となりえないものと解すべき法的根拠はない」旨判示しています(最大判昭和42年11月1日)。

したがって、実務的には、死亡による慰謝料請求権も相続の対象になると考えられます。

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弁護士 寺部光敏

愛知県豊橋市出身 名古屋大学法学部を卒業後、弁護士となる。豊橋に根付いた寺部法律事務所の代表弁護士。20年以上の弁護士歴で得た豊富な経験を活かし、交通事故に苦しむ人を一人でも救うため弁護活動を行っている。

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