交通事故、示談金は、いつ振り込まれる?交通事故発生から示談金がもらえるまでの流れを弁護士が解説

1 はじめに

 示談金は、いつ振り込まれるのでしょうか。

 交通事故が発生し、被害者の方が、医療機関に通院をして治療を受け、治療が終了すると、後遺障害がなく、治癒している場合には、示談交渉をします。後遺障害が残っている場合には、後遺障害の等級認定の手続をして、後遺障害の有無、後遺障害が認められる場合には、後遺障害の等級が確定すると、示談交渉をします。

 示談交渉をした結果、合意に達すると、示談書(免責証書)を作成します。

 示談書(免責証書)が相手方の任意保険の保険会社に到達してから、相手方の任意保険の保険会社が、示談金の支払いの手続を進めることが通常だと思います。

 なお、示談が成立せずに、訴訟になった場合には、示談金の支払いは、訴訟において、和解が成立したり、判決が確定するなど、訴訟の結論が出た後になることが通常です。訴訟の提起から、訴訟の結論が出るまでの期間ですが、個別の事案によりますが、1年以上かかることも珍しくありません。

 以下、被害者に過失がなく、交通事故の加害者が対人無制限の任意保険に加入している場合を前提として説明します。
 なお、個別の事案については、弁護士にご相談ください。

2 示談金の支払時期の目安

 示談金は、一般的には、示談書(免責証書)が相手方の保険会社に到達してから、1~2週間程度で振り込まれることが多いと思います。

 もっとも、個別の事案によって異なる場合がありますので、支払時期が気になる場合には、相手方の任意保険の保険会社にあらかじめ確認することが望ましいと思います。

3 示談金の支払いが遅い場合の対処法

 示談金の支払いが遅い場合には、相手方の任意保険の保険会社に問い合わせることが通常だと思います。
 書類に不備がない場合には、示談金は、通常、示談書(免責証書)が到達してから1~2週間程度で支払われます。

4 示談前に示談金をもらうことができる?

 示談前であっても、任意保険の保険会社が、一括対応をしている場合、治療費は、相手方の任意保険の保険会社から医療機関に直接支払いがされていることが通常だと思います。

 また、会社員の方が、休業損害証明書を任意保険の保険会社に提出している場合、示談前であっても休業損害の支払いがなされることが通常だと思います。

 もっとも、慰謝料などは、示談が成立した後に、支払われることが通常です。もっとも、示談前に、交渉をすることにより、一部の仮払いがなされる場合もあります。

5 示談を成立させる前に気をつけたいこと

(1)急いで示談には応じない

 いったん示談書に署名、押印をしてしまうと、後に、示談の効力を争うことは、困難です。
 遅くとも、示談書に署名、押印をする前に弁護士にご相談をされてはいかがでしょうか。

(2)任意保険の保険会社の提示を鵜呑みにしない

 交通事故の加害者の任意保険の保険会社からの示談の提示は、適正な賠償額であるとは限りません。
 被害者の方の過失がない場合、自賠責保険の基準<任意保険の基準<裁判基準となることが通常です。
 任意保険の保険会社からの提示をそのまま鵜呑みにせず、弁護士に相談をして、適正な金額か否か、確認をされてはいかがでしょうか。

(3)治療中は、きちんと通院を行う

 医師にご自分の症状を正確に伝え、医師と相談をして、適切な頻度で通院をすることが大切だと思います。仕事が忙しく通院できなかった場合でも、通院の必要がないから通院をしなかったと解釈される可能性が高いので、注意が必要です。

6 終わりに

 交通事故の被害者の方が、適正な賠償を得るためには、交通事故の損害賠償に関する専門的な知識が必要になる場合が少なくありません。
 交通事故の被害にあった場合には、弁護士に相談をされてはいかがでしょうか。

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弁護士 寺部光敏

愛知県豊橋市出身 名古屋大学法学部を卒業後、弁護士となる。豊橋に根付いた寺部法律事務所の代表弁護士。20年以上の弁護士歴で得た豊富な経験を活かし、交通事故に苦しむ人を一人でも救うため弁護活動を行っている。

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