後遺症(後遺障害)に関する損害
事務員:交通事故で傷害を負い、治療後も痛みが残るなどした場合、ケガの分しか損害を請求できないのでしょうか。
弁護士:ここで、Aさんが、自動車を運転中、赤信号で止まっていたところ、後ろからきた自動車に追突されたという事例を仮定して説明します。
弁護士:Aさんは、整形外科に通院しましたが、骨折はなく、その後、痛み止めの薬を処方してもらったり、リハビリを受けたりして、約8ヶ月通院しました。
     Aさんは、症状固定(しょうじょうこてい)後も痛みが残ったため、後遺症(後遺障害)の等級認定をしたところ、自賠責後遺障害別等級表別表第2第14級9号(局部に神経症状を残すもの)の認定を受けたとします。
事務員:症状固定?
弁護士:治療を続けても症状が改善しない状態をいいます。
     痛みが残った場合でも、症状固定になる場合があります。
事務員:自賠責の後遺障害は、何級から何級まであるのですか?
弁護士:自賠責後遺障害別等級表には、2つの表があり、別表第1は、1級と2級、別表第2は、1級から14級まであります。
事務員:後遺症(後遺障害)が認められた場合、傷害分とは別に、どのような損害が請求できるのですか?
弁護士:後遺症(後遺障害)が認められた場合、後遺障害慰謝料(こういしょうがいいしゃりょう)、後遺障害逸失利益(こういしょうがいいっしつりえき)が問題となります。
事務員:後遺障害慰謝料は、傷害の慰謝料とは、別に認められるのですか?
弁護士:後遺障害が認められた場合、通常、傷害の慰謝料とは別に後遺障害の慰謝料が認められると思います。
事務員:後遺障害逸失利益とは、何ですか。
弁護士:おおざっぱに言えば、後遺障害が残らなければ、将来得られたであろう収入をいいます。
弁護士:後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益については、それぞれ別の機会にもう少しくわしく説明します。
事務員:わかりました。また、教えてください。
愛知県豊橋市出身 名古屋大学法学部を卒業後、弁護士となる。豊橋に根付いた寺部法律事務所の代表弁護士。20年以上の弁護士歴で得た豊富な経験を活かし、交通事故に苦しむ人を一人でも救うため弁護活動を行っている。
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				弁護士 寺部光敏
愛知県豊橋市出身 名古屋大学法学部を卒業後、弁護士となる。豊橋に根付いた寺部法律事務所の代表弁護士。20年以上の弁護士歴で得た豊富な経験を活かし、交通事故に苦しむ人を一人でも救うため弁護活動を行っている。
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