死亡事故の損害賠償で気をつけるべきこと

1.はじめに

死亡事故の損害賠償について、どのようなことが問題になるのでしょうか。
ここでは、被害者に過失のないことを前提として、死亡慰謝料、死亡逸失利益について、説明します。

2.死亡慰謝料

死亡慰謝料は、過去の裁判例では、2000万円~3000万円の慰謝料が認定される場合が多いと思います。
死亡慰謝料は、被害者の方が、一家の支柱か、高齢者か、などによって異なると考えられます。
なお、民法は、被害者の父母、配偶者及び子について、固有の慰謝料請求権を認めています。上記金額(2000万~3000万円)には、近親者固有の慰謝料も含まれています。

3.死亡逸失利益

(1)はじめに

死亡逸失利益は、(基礎収入-生活費控除率)×就労可能期間に対応するライプニッツ係数で計算をすることが多いと思います。

(2)会社員の場合

原則として、交通事故前の収入を基礎収入として計算することが多いと思います。
就労可能年数は、67歳までとすることが多いと思います。
67歳に達するまでの年数が、平均余命の2分の1より短くなる場合、平均余命の2分の1を基準として計算する場合があります。

(3)主婦の場合

賃金センサスの産業計、企業規模計、学歴計、女性労働者の全年齢平均の賃金額を基礎収入として計算することが多いと思います。
もっとも、会社員として働いて、賃金センサスの産業計、企業規模計、学歴計、女性労働者の全年齢平均の賃金額を超える収入を実際に得ている主婦の場合、実際に得ている収入を基礎収入として計算することがあります。

(4)年金を受給している無職の高齢者の場合

例えば、国民年金、老齢厚生年金については、逸失利益を計算する際の基礎収入になりうると考えられます。
また、高齢者について、年金を基礎収入として逸失利益を計算する場合、就労可能期間について、平均余命を基準に計算する場合が多いと思います。

(5)生活費控除率

生活費控除率としては、30~50パーセントになる場合が多いと思います。
生活費控除率は、被害者が一家の支柱か否か、一家の支柱の場合、被扶養者の人数はどうか、男性か女性か、独身か否かなどの様々な要素を考慮して決められると思います。

(6)ライプニッツ係数

例えば、就労可能年数が10年の場合、(基礎収入-生活費控除割合)に10をかけて逸失利益を計算するわけではありません。平成29年10月現在、年5分の割合によるライプニッツ係数をかけて計算することが通常です。
年5分の割合による10年のライプニッツ係数は、7.7217です。

4.まとめ

死亡事故の損害賠償請求について、分からないことがありましたら、弁護士までご相談ください。

 

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