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共同不法行為と求償
民法719条は、共同不法行為について、規定しています。
タクシー会社(A)の運転手(B)が運転するタクシーと、Cが運転する自動車が衝突し、タクシーに乗車中の乗客(D)が傷害を負った場合、BとCの共同不法行為に該当する場合があります。
この場合、タクシー会社(A)が、乗客(D)に対し、Dの損害を賠償した場合、Aは、Cに対し、求償をすることはできるのでしょうか。
この問題に関し、最高裁判所の裁判
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一部請求と過失相殺
損害賠償請求訴訟において、損害の一部を請求し、相手方から過失相殺の主張をされた場合、過失相殺はどのように計算するのでしょうか。
この点について、最高裁判所の裁判例には、
「一個の損害賠償請求権のうちの一部が訴訟上請求されている場合に、過失相殺をするにあたっては、損害の全額から過失割合による減額をし、その残額が請求額をこえないときは、右残額を認容し、残額が請求額をこえるときは請求の全額を認容す
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シートベルト不着用と交通事故の過失相殺
道路交通法第71条の3第2項本文は、
「自動車の運転者は、座席ベルトを装着しない者を運転者席以外の乗車装置(当該乗車装置につき座席ベルトを備えなければならないこととされているものに限る)に乗車させて自動車を運転してはならない」旨規定しています。
したがって、自動車の後部座席に乗車する場合も、原則としてシートベルトの装着が義務になります。
交通事故が発生した場合、後部座席に乗車していた場合
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高次脳機能障害
交通事故により、頭部に衝撃が加わり、高次の脳機能に障害が生じる
場合があります。
高次脳機能障害の典型的な症状として、認知障害、行動傷害、人格変化などが
指摘されています。
高次脳機能障害となった結果、後遺障害に該当する場合もあります。
自賠責保険の後遺障害の等級認定と訴訟における後遺障害の等級は、
同じことが多いです。もっとも、事案によっては、違う場合もあります。
下級審
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物損事故と損害
物損事故において、どのような損害が賠償の対象となるのでしょうか。
物損の典型的な例は、交通事故により自動車が損傷した場合です。
この場合、修理が可能であれば、原則として、修理代が損害になります。
もっとも、自動車の修理代が交通事故の被害にあった自動車の時価より高い場合には、原則として、交通事故の被害にあった自動車の時価が損害となると考えられます。
また、自動車の損害として、評価損が問題
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物損事故と評価損(格落ち損)
物損事故において、多くの場合、自動車が損傷して、修理が必要になります。
交通事故の被害に遭い、修理によって自動車としての機能が回復したものの、一度、修理をすると、いわゆる事故車として、中古車市場における取引価格が下がる場合があります。
このような評価損(格落ち損)を交通事故の損害として、請求できるのでしょうか。
下級審の裁判例ですが、
「本件においては、修理完了後も自動車の性能、外観等
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症状固定
肋骨(ろく骨)骨折と後遺障害(後遺症)
交通事故と肋骨骨折
交通事故によって、肋骨を骨折する場合もあります。
例えば、赤信号で停車中、後ろから衝突され、その衝撃で肋骨を骨折することがあります。
また、自転車を運転中、自動車と衝突して、自転車が転倒し、その際、体を地面に強打し、肋骨を骨折してしまうことがあります。
肋骨骨折と後遺障害
肋骨骨折の傷害を負い、治療の結果、骨癒合に問題がなく、痛みが残ることもなく、治癒すれば後遺障
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損害賠償請求と相殺
民法509条は、債務が不法行為によって生じたときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない旨規定しています。
このように、不法行為によって生じた債権を受動債権として相殺をすることは、民法の規定によって禁じられています。
それでは、双方の過失によって生じた同一の交通事故によって生じた物的損害に基づく損害賠償債権においても、民法509条が適用され、相殺をすることができないのでしょ
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交通事故と素因減額
交通事故の被害者の方が、平均的な体格、通常の体質と異なる身体的特徴を有している場合、損害賠償の金額が減額されるのでしょうか。
民法722条2項は、被害者に過失があったときは、裁判所は、
これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる旨規定しています。
この規定を類推適用できるか、問題になると考えられます。
最高裁判所は、交通事故の被害者の方が、首が長くこれに伴う多少の頸椎不安定症がある
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