消滅時効

消滅時効について

質問

私は、自動車を運転し、赤信号で停車中に、後方から来た車両に追突され、傷害を負いました。交通事故の加害者は、対人無制限の任意保険に加入しています。交通事故後、ちょうど1年が経過しました。

私は、交通事故による損害賠償請求権に、消滅時効という制度があると聞き、心配になりました。交通事故から1年が経過すると、損害賠償が請求できなくなるのでしょうか。

弁護士からの回答

交通事故の加害者に対する損害賠償請求権の法的な性質は、不法行為に基づく損害賠償請求権と考えられます。

不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条前段)。したがって、交通事故の発生から1年間では、民法724条前段の消滅時効は完成しませんが、お早めに弁護士などの専門家に相談してはいかがでしょうか。

なお、民法724条後段は、不法行為の時から20年を経過したときも、同様とすると規定しています。この20年の期間の法的な性質は、損害賠償請求権の除斥期間を定めたものであると考えられます。

また、交通事故の被害者は、自賠責保険の保険会社に対して、損害賠償額の請求をすることができます(自動車損害賠償保障法16条)。自賠責保険の保険会社に対する被害者の直接請求権については、3年(平成22年3月31日までに発生した事故の場合は2年)を経過したときは、時効によって消滅します。

交通事故の加害者に対する損害賠償請求訴訟を提起したとしても、自賠責保険の保険会社に対する被害者の直接請求権については、時効中断の手続等が必要と考えられますので、注意が必要です。


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