交通事故の損害賠償と成年後見制度
1 はじめに
交通事故の被害にあい、その結果、被害者の方が、判断力が低下した場合、示談交渉をすすめるにあたり、どのようにしたらよいのでしょうか。
交通事故の示談交渉を弁護士に委任するには、ご本人の判断能力が必要になります。
成人している方が、交通事故の被害にあい、その結果、判断能力が低下した場合、そのままでは、弁護士に示談交渉を委任することができない場合があります。
そこで、このような場合、成年後見制度の利用を検討することになると思います。
2 成年後見制度
ご本人の判断能力が低下した場合、成年後見制度を利用することが考えられます。
成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度があります。法定後見制度には、後見、補佐、補助の3つの類型があります。
ここでは、法定後見制度のうち、後見について、説明します。
後見は、精神上の障害により、判断能力が欠けているのが通常の状態の方が対象になります。
成年後見人は、ご本人を代理して、契約等をしたり、ご本人の財産を管理したりします。
成年後見人の選任にあたり、まず、裁判所に後見開始の審判の申立をします。
申立をした後、ご本人の判断能力について、鑑定を行うことがあります。
また、裁判所が、申立人や後見人の候補者などから事情をうかがったり、ご本人の親族に対し、成年後見人候補者について、意見を照会することがあります。
裁判所が相当と認めたときは、後見開始の審判をし、後見人を選任します。
後見監督人が選任される場合もあります。
3 成年後見人の選任と弁護士の委任
弁護士が成年後見人に選任されれば、当該弁護士が交通事故の示談交渉も行うことが通常だと思います。
また、例えば、親族の方が成年後見人に選任されれば、成年後見人は、ご本人を代理して、弁護士に交通事故の示談交渉を委任することができます。
成年後見人が選任されれば、示談交渉の手続をすすめることができるようになります。
4 まとめ
交通事故の損害賠償について、分からないことがありましたら、弁護士までご相談ください。

弁護士 寺部光敏

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