通勤途中に交通事故の被害にあった場合、どのようにしたらよいでしょうか？

通勤途中に交通事故の被害にあった場合、どのように対応したらよいのでしょうか。

通勤途中に交通事故に被害あった場合、労災が適用される場合があります。

また、労災が適用され、労災保険から給付を受けた場合、後の損害賠償において、先に受けた労災給付から差し引かれる場合があります。

以下、通勤途中の交通事故で、労災が適用され、被害者の過失がなく、加害者が対人無制限の任意保険に加入していることを前提に説明します。

例えば、会社員として働いている方が、通勤途中に交通事故の被害にあった場合、労災保険が適用される場合があります。

もっとも、通勤について、例えば、合理的な経路から外れた場合には、労災保険が適用されない場合がありますので、注意が必要です。

労災保険では、療養給付、休業給付、傷病年金、障害給付などの種類の給付があります。　　

交通事故の損害賠償としては、治療費、通院交通費、休業損害、傷害慰謝料などの項目が考えられます。また、後遺障害が残った場合には、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益といった項目が考えられます。

労災による給付が先行している場合、損益相殺（そんえきそうさい）といって、労災給付が、損害賠償額から差し引かれる場合があります。

労災保険法による療養補償給付金、休業補償給付金、障害（補償）一時金、障害補償年金前払一時金、障害補償年金などは、損害賠償額から控除されると考えられます。

一方、労災保険法による休業特別支給金、障害特別支給金、障害特別年金等は、損害賠償から控除されないと考えられます。

また、控除される場合でも、控除される費目が限定される場合があります。例えば、労災保険法による療養給付は、慰謝料からは、控除されないと考えられます。　　

このように、労災保険と交通事故の損害賠償との間の損益相殺は、非常に複雑で、難解だと思います。

通勤途中の事故の場合、労災を適用したほうが有利な場合が多いと思います。

くわしくは、弁護士までご相談ください。

愛知県豊橋市出身　名古屋大学法学部を卒業後、弁護士となる。豊橋に根付いた寺部法律事務所の代表弁護士。20年以上の弁護士歴で得た豊富な経験を活かし、交通事故に苦しむ人を一人でも救うため弁護活動を行っている。

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