10:0むちうち示談金相場
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1 はじめに
赤信号に従って停車中、後ろから追突され、むち打ち症状となった渋滞で停車中、後ろから追突され、むち打ち症状となったという場合、示談金は、いくらくらいになるのでしょうか?
交通事故の加害者が、対人無制限の任意保険に加入していることを前提に説明します。
2 示談金を計算する際の項目
(1)治療費
整形外科の治療費、接骨院の施術費、調剤薬局の費用などが治療費となります。
治療費は、相手方の任意保険会社が、直接医療機関等に支払い、示談交渉の際は、既払いとなっていることが多いと思います。
(2)通院交通費
自動車で通院した場合には、通院交通費は、1キロあたり、15円で計算をすることが通常だと思います。
公共交通機関(電車、バスなど)を利用した場合には、通院交通費は、合理的な通院経路による実際にかかった金額とすることが通常だと思います。
(3)休業損害
①会社員の方の場合
会社員の方の場合、相手方保険会社所定の休業損害証明書の書式を送ってもらい、勤務先に休業損害証明書を作成してもらい、相手方保険会社に提出することが多いと思います。
②主婦の方の場合
主婦の方の場合、賃金センサスの産業計、企業規模計、学歴計の女性労働者の全年齢平均賃金の金額をもとに、計算することが多いと思います。
令和5年の賃金センサスの産業計、企業規模計、学歴計、女性労働者の全年齢平均賃金は、約400万円です。
この金額をもとに日額を計算し、日額に休業日数をかけて、休業損害を計算することが多いと思います。
(4)傷害慰謝料
通院期間、通院日数などを考慮して、傷害慰謝料を計算することが多いと思います。
弁護士がご依頼を受けて代理人として相手方保険会社と交渉をする場合、いわゆる裁判基準で計算をすることが通常です。
3 後遺障害が認定された場合
(1)症状固定後も、むち打ち症状の痛みが残り、後遺障害が認定される場合、自動車損害賠償保障法施行令別表第2第14級9号(局部に神経症状を残すもの)が問題となることが多いと思います。
第14級9号が認定された場合を前提に以下説明します。
- (2)後遺障害慰謝料
後遺障害が認定された場合、傷害慰謝料とは別に後遺障害慰謝料が認められることが通常です。
金額は、100万円前後くらいとなることが多いと思います。
- (3)後遺障害逸失利益
- 後遺障害が認定された場合、後遺障害逸失利益が認められる場合があります。
- 後遺障害逸失利益は、基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数で計算をすることが通常です。
- ライプニッツ係数は、令和7年6月時点の交通事故の場合、年3パーセントのライプニッツ係数を使うことが通常です。
- 会社員の方の場合、基礎収入は、事故前年の源泉徴収票をもとに計算をすることが多いと思います。
- 主婦の方の場合、基礎収入は、賃金センサスの産業計、企業規模計、学歴計、女性労働者の全年齢平均賃金の金額を基礎収入とすることが多いと思います。
- 第14級9号の場合、労働能力喪失率は、5パーセントとして計算をすることが通常です。
- 基礎収入500万円、労働能力喪失率5パーセント、労働能力喪失期間5年間の場合
- 500万円×0.05×4.5797=114万4925円
- となります。
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4 保険会社から提示があったときは、弁護士までご相談ください。
- 交通事故の損害賠償の基準には、自賠責保険の基準、任意保険の基準、裁判基準があります。
- 被害者の方に過失がない場合、自賠責保険の基準<任意保険の基準<裁判基準となることが多いです。
- 弁護士は、裁判基準を目標にして、相手方の任意保険の保険会社と交渉をします。
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5 まとめ
- 交通事故の示談書にサインをしてしまうと、後に、示談の効力を争うことは、通常はできません。
- 遅くとも、保険会社から示談の提示があった場合には、弁護士までご相談ください。
- 交通事故の被害にあった場合、保険会社から提示があった場合などには、弁護士までご相談ください。

弁護士 寺部光敏

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