示談後の交渉

質問

私の父は、50代で会社員として働いていました。私の父は、昨年、青信号にしたがって横断歩道を歩いていたところ、左折してきた自動車に衝突され、死亡してしまいました。母は既に5年前に他界しており、私には兄弟はいないので、私が唯一の法定相続人です。

私は保険会社の提示した金額についてよくわからなかったので、示談書にサインをして既に保険金を受け取りました。

しかし、最近、保険会社の提示に対し、弁護士さんに委任して交渉をしてもらうと金額が増えることがあると知りました。既に示談書にサインしたのですが、再度交渉することはできますか。

弁護士からの回答

示談は、一般的には、民法の和解契約に該当すると考えられます。したがって、いったん示談をすると、原則として、事故の被害者の方は、損害賠償額が少ないことを理由に再度交渉することはできません。

過去の裁判例には、全損害を正確に把握し難い状況のもとにおいて、早急に小額の賠償金をもって満足する旨の示談がされた場合においては、示談によって被害者が放棄した損害賠償請求権は、示談当時予想していた損害についてのもののみと解すべきであって、その当時予想できなかった不測の再手術や後遺症がその後発生した場合その損害についてまで、賠償請求権を放棄した趣旨と解するのは、当事者の合理的意思に合致するものとはいえない旨の裁判例があります。

本件では、死亡事故であり、示談時には総損害額について、認識することが可能であったと思われますので、上記事情では、当事務所ではご依頼を受けることができないと思います。


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